塾(第13回)
塩分濃度計の使い方
料理を自分で塩分測定する場合の注意点等を私が実施した経験からお話したいと思います。
- 1.塩分測定の目的を具体化する
- ①自分の学校だけで実施する
- ②家庭も含めて地域を考えて実施する
- ③教育会や栄養士会の研究テーマとして実施する
など測定の取り組みをきちんとしておくことが必要です。
- 2.目的を具体化するために塩分測定をどうやって
実施するかを決める- ①教育委員会で予算化してもらい検査機関に測定を依頼する
- ②保健所に相談して測定してもらう
- ③器機を購入して測定する
等の方法が考えられると思います。
以上のことなどを決めて具体的な行動計画を立てる。
- 3.機器を購入して実施する場合は
- ①塩分測定機器を決める
- デジタル屈折計
- 食塩水濃度屈折計
- 手持屈折計
- 電気伝導方式
- ポケット塩分計
- スプーン塩分計etc
- ②測定機器を決めてその機器の塩分測定範囲上限や測定温度等の仕様を確認したら、次に購入する方法を考えます。
- 教育委員会で購入してもらい各校で利用する
- 学校予算で購入する
- 栄養士会で購入し各校で利用する
- ①塩分測定機器を決める
くれぐれも個人で購入しないようにいろいろな知恵を絞って購入しましょう。
私の場合は教育委員会で購入してもらった機器を使いました。
電気を流して電解質を測定する原理を利用している機器では、塩分が濃くなるほど分子が凝縮していて電気を通しづらく測定値が低めに出る傾向があるので、その場合は希釈するなどの工夫が必要になってきます。
いろいろ測ってみて疑問に感じたら製造メーカーに問い合わせて解決していきましょう。
初めの一歩を踏み出さないと前には進めません。
- 4.計測にあたっての注意点
(私が昔「手持屈折計」で測定したときのことを書きたいと思います)
- ①サンプルを計測する場合、いくつかの原則を決めておきました。
- (1).何度の温度で測るのか
(味噌汁やカレールーなど熱い時に測る? 冷凍食品や冷蔵品は?)
各機器の仕様があるのでその範囲内で測ることが原則ですが、私の場合は常温で測るようにしていました。 - (2).カレーライスは具などの固形とルーがある場合のサンプルg数を決めておく
1~10gの場合料理によってばらつきが出るので100gで計測するなど秤と相談しながら決めましょう。
例…1g単位の秤では、1gは1.1g~1.9gまでのばらつきになるので10倍希釈では誤差が大きくなります。
10gだとカレーなどの場合「じゃが芋」が入るだけでルーと固形の割合で誤差が大きくなるので、この場合は100gで計測するなどの工夫が必要です。 - (3).油が含まれる場合は誤差が出るので、できるだけ油を避ける。
(恣意的かも・・・でも気にしないでね) - (4).家庭用の秤でも十分です
- (1).何度の温度で測るのか
- ② コーンスープやワカメの味噌汁など直接飲める濃さの液体はそのまま計測できます。
- ③ たれや調味料など直接口に入れられない濃さの食品やから揚げなどの固形の食品は10倍に希釈して測ります。
また、塩分が測定範囲を超えた場合(10%以上など器機の説明書を確認)も希釈して測ります。
10倍に希釈する?
例-1 南瓜の煮物は、南瓜を何g? 液体を何g?
例-2 から揚げ、フライは何gにする?
例-3 カレーライスは、ライスを抜いてカレーの具(肉、人参、じゃが芋・・・)何g ルーは何g
検査する立場になると細かなことに気を使います。
室温や湿度に左右される密度(重量)も考慮しながら計測しました。
0.1%の誤差も考慮(研究室での常識なのですが・・・)しないと納得できない性格は本当に嫌なものです。
気軽にいろいろと測定してみてくださいネ。
塩分をどう感じるかの実験を昔実施した方法を紹介します。
是非、実施してみてください。
試食会で実施しました。
①…0.8%の食塩濃度の液体1Lを作る
②…①を200ccに5つに(A~E)分ける(色分けするかA~Eを明示す)
③…Aはそのまま
④…Bは昆布だし入り(200ccに1g等)
⑤…Cは鰹の削り節入り(200ccに1g等)
⑥…Dは昆布、鰹の削り節入り(200ccに各1g等)
⑦…E任意の自分の考えで
A~Eの各液体を飲んでもらい濃い順に並べてもらい集計する。
栄養士会などで実施し、結果を考察することで減塩方法の参考になると思います。